May 2015

5月のインテリアレポート:

新緑の美しい季節になりました。この時期はお庭で過ごす時間も多くなりますね。
庭はもうひとつの部屋、アウトドアリビングです。

その昔プラントハンターたちが暖かい南の国々から持ち込んだオレンジの木はイギリスで大人気となりました。
貴族や富裕な中産階級の人々はオレンジの木のためにガラス張りの温室を邸宅に造りかぐわしい香りを楽しんだといいます。
オレンジをConserve(コンサーブ、保存)する、これがコンサーバトリーの始まりでした。
日本と違い日照の少ない北の国ではコンサーバトリーは暗い冬のお天気でも光の入る明るいアウトドアリビングとなりました。

今月はコンサーバトリーを中心としたアウトドアリビングライフを皆様へご紹介いたします。

   ポタリーのコンサーバトリー。
4畳ほどのスペースでしたが
イギリスの香りがいたしました。
夏の気温の高さを考慮し日本では
東か北向きにつけることをお勧めします。
こちらのコンサーバトリーは東向きの上、正面の桜の木が夏の暑さから
守ってくれました。
   アウトドアリビングとして庭へ続
くホールの役割も担っていました。
   両開き扉を開けると母屋と一体になり
リビングが一層広く感じます。
コンサーバトリーの中は
お庭のグッズや
観葉植物が似合いますね。
     扉は自由自在にデザインできます。
庭と一体になるよう考えます。
 
       
   5月の庭はローズの香りもかぐわしくすべてが活き活き輝いて見えますね。      こちらは玄関ホール脇につけたことにより
ラウンジとしての役割も兼ねています。
訪れた人が中を覗いてみたくなる位置
なのでインテリア性の高いディスプレイを
心がけたいものです。
     5.5畳のスペースが通常より広く感じる
のは壁と天井が無いためです。
床をこのようにタイル貼りにすると
靴のままで作業をしてもあとのお掃除が
簡単です。
     ガラスを通して外の緑が
いっぱいに見えます。
アウトドアリビングなので自転車も
インテリアの一部に見えますね。
 
       
   お庭と一体にプランをした
コンサーバトリーです。
ちょっと贅沢ですが
ヴィクトリアンスタイル(六角形)。
窓の位置がそれぞれ違う方向を
向いているのでお庭の植栽も
窓を考慮して植え込みました。
   屋根材は半透明のポリカーボネイト。
軽くて耐久性が強いことでコンサーバトリーに
使われます。お庭のグリーンが
屋根に映り美しいですね。
 こちらも庭と一体になるプランです。
扉をあけるとお庭のテラスにつながり、
お天気に関わらず両方で
アウトドアを楽しめます。
 母屋の外壁の一部にコンサーバトリーが
かかわるため大工さんに収納棚を
作ってもらいました。
コレクション棚が出来てこのスペースを
一層引き立ててくれました。
       
   こちらは準防火地域に設置した
コンサーバトリー。
防火構造にしなくてはならないため
木製での施工が出来ず
アルミサッシと板金工事で
完成させました。
     防火認定のあるアルミサッシを
組み合わせました。
日本のサッシメーカーのものも組み合わせ
次第でお洒落になりますね
既存のサッシなので建具やさんに
特注するよりも手軽に取り付けられます。
     サッシは既成のアルミ製ですが
扉と照明はアンティークを取り付けました。このスペースは扉の色も
外部と内部で変えています。
白い建物なので刺し色を入れることで
空間が締まります。
    玄関ホールをはさんで南側にリビング、
北側にコンサーバトリーが
配置されています。
コンサーバトリーを作るとき
母屋と切り離した位置に作ることで
将来このスペースを
ショップやアトリエとして
活用できるようにと考えました。
 
       
   コンサーバトリーから見た玄関ホール。
床材を統一し段差をなくしたため
ホールが広く感じられます。
     コンサーバトリーを作るとき一番気を
使うのは屋根の形です。
屋根の高さが十分に取れない場合は
屋根飾りが取り付けられず
残念な思いをします。
こちらの現場も2階のバルコニーが
せりだしていたため低めの勾配屋根に
なりましたが棟飾りが付いて大満足でした。
     内部はロマンティックな
ダイニングになりました。
天井が無い分屋根の低さが
気になりません。
     窓は細身で背が高いほど
お洒落感が増します。
 
       
   こちらは2階のバルコニーにつけた
コンサーバトリー。母屋の屋根の勾配に
あわせて取り付けられています。
後付をするとき一番苦心するのは
出来上がったときに元から付いていた
ように自然な雰囲気に仕上げることです。
家や設置場所のデザインにあわせて
プランします。
     壁が斜めなのは母屋の屋根が
この位置についているからです。
天井は低いけれど屋根と窓をつけたことで
バルコニーが小さなお部屋に一新しました。
     お昼ね用のカウチを持ち込みここで空を見ながら読書三昧だそうです。      季節によっては暑くなるので天井に
オーニングを取り付け遮熱をしています。
 
       
   アウトドアリビングという言葉に
ぴったりのコンサーバトリー。
ウッドデッキから玄関ホールと
コンサーバトリーの両方へ
アプローチが出来ています。
     内部はアトリエスペース。
ここにいると仕事もはかどりそうですね。
     お庭へのアプローチを考えて
設置した例です。
お庭と一体でプランをしました。
     内部はダイニング兼アトリエです。
この空間ができて暮らしが豊かになったと
皆さんおっしゃる理由が分かります。
 
       
   もちろんバルコニーには補強が必要ですが
2階のバルコニーにも取り付けられます。
     既存のウッドデッキの上にも設置可能です。      ウッドデッキの上に設置する場合は重量も考慮し窓も軽い透明のポリカーボネイト材を使っています。      コンサーバトリーが素敵なことのひとつは天井が無いためスペースが実際の広さより広々してみえることですね。  


いかがですか? とても贅沢なスペースですがコンサーバトリーがあることで暮らしがより楽しくなること請け合いです。
外でも内でもない不思議な空間、コンサーバトリーは心も体も癒してくれます。
忙しい日常を過ごす現代人にとってこの空間はちょっと立ち止まらせてくれる特別な場所になるかもしれません。


2015年5月 荻野洋子


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